topを実行すると、(Debian 12の)デフォルトでは以下の画面が表示される。特に重要な図中の赤枠の3箇所について説明する。
(1) CPUの実行時間
ここには、全てのCPUの合計を100%として、実行種別ごとの割合が表示される。
種別 |
説明 |
us |
ユーザモードでのプログラム実行時間。プログラムの通常処理の時間 |
sy |
カーネルモードでのプログラム実行時間。プログラムがシステムコールを呼び出すことにより、カーネル内のコードが実行された時間。ファイルの読み書きや、ネットワーク処理などがこれに相当 |
ni |
正のNICE値が設定され、低優先度となっているプロセスのプログラム実行時間 |
id |
アイドル時間。何も実行していない時間 |
wa |
ストレージなどのデバイスへの入出力処理で、デバイスから応答を待っている時間 |
hi |
ハードウェア割り込み処理の実行時間 |
si |
ソフトウェア割り込み処理の実行時間 |
st |
ハイパーバイザ型仮想マシン上の仮想CPUが、物理CPUの割り当てを待っている時間 |
(2) メモリ使用量
OS全体のメモリ使用量が表示される。デフォルトの単位は、MiB。
分類 |
項目 |
説明 |
Mem |
total |
全メモリ容量 |
free |
空きメモリ容量 |
used |
使用中のメモリ容量 |
buff/cache |
ディレクトリエントリやファイル内容のキャッシュ容量。Linuxは、空きメモリを積極的にこれらのキャッシュに割り当てるため、使用するに従い空きメモリが減少し、これらの値が増加する傾向にある |
Swap |
total |
全スワップ容量 |
free |
空きスワップ容量 |
used |
使用中のスワップ容量 |
|
avail Mem |
利用可能なメモリ容量。大雑把には空きメモリ容量とキャッシュの合計 |
(3) プロセスごとの状態
ヘッダの各列の意味は次のとおり。デフォルトではプロセスはCPU使用率の降順で表示される。メモリ関連の容量のデフォルト単位はKiB。
項目 |
説明 |
PID |
プロセスID |
USER |
そのプロセスの実行ユーザー |
PR |
プロセスの実行優先度。20が標準。数値が小さいほど優先度が高い |
NI |
NICE値。この値が正なら、その値に応じて低優先度で実行される。負ならその値に応じて高優先度で実行される |
VIRT |
仮想メモリ使用量。プロセスが確保したメモリ量。この値の一部にしか物理メモリが割り当てられていない。この値が大きくてもそれほどメモリを使っていない場合もある。 |
RES |
物理メモリ使用量。プロセスに割り当てられた物理メモリ量。そのプロセスの実際のメモリ使用量。 |
SHR |
共有メモリ使用量。RESのうち、他のプロセスと共有されているメモリ量。 |
S |
プロセスの状態: R (実行中)、S (スリープ)、D(割り込み不可のスリープ)、Z(ゾンビ状態) |
%CPU |
CPU使用率。ひとつのCPUをフルに使った場合100%となる。複数のCPUを使っている場合、100%を超えることがある |
%MEM |
メモリ使用率 |
TIME+ |
プロセスのCPU使用時間。起動してからの時間ではなく、CPUが割り当てられた(つまりそのプロセスのプログラムが実行された)時間の合計。1/100秒単位。
例: 1:23.45の場合、1分23秒450ミリ秒 |
COMMAND |
実行コマンド |
参考
topコマンドの記事一覧
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